ドロップ

2009/09/20

￥2,952
漫才コンビ・品川庄司の品川ヒロシが、派手にドロップアウトした自らの青春時代を綴ったベストセラー小説を映画化した監督デビュー作。不良に憧れ私立中学から公立中学へ転校したヒロシが、不良の世界で友情や恋愛、人の優しさを知り成長していく。（「キネマ旬報社」データベースより）

昔まだパッとしなかった頃、僕は品川庄司というコンビのファンだった。

特に品川祐のボケ具合とかポテッとした体型が柔らか味があって秀逸に感じた。

が、突然格闘技を始め肉体改造をし始めてから自信が満ち満ちるようになり、

著名な母親や祖母の名前を公表したり、クイズに料理にあれもこれもやり始め、

半生記はベストセラーになりついには映画となり大ヒット。

才能も運もセンスも兼ね備えての成功ではあると思うが、その分、お笑い芸人としては笑えなくなってしまった。

であるからに、僕にはこの作品は思ったほど素晴らしいとは思えず、

彼は引き出しはすべて使い切ってしまったように思えた。ヒットにすべくすべての伝やコネを遣った気がするし。

ここの所ヨシモト興業の芸人達による映画が増えているが、

ゴリさんのように映画のために自分で劇を創作できる人には強みがある。

品川さんはあれほどのヒットを受け、またあの流れでの続編を作るのだろうか。

ああいう内容なら「クローズZERO」シリーズの方が全然良いし、お笑いならもっと他の映画の方が爆笑できる。

でも現実にはヒットしてるのだから、今の世の中に品川監督の感性があっているのだろう。

さほど珍しい話でないしドロップアウトした人は世の中にはいくらでもいるわけだし、

ならばバッドボーイズあたりの方が面白い話をたくさん持っていそうだ。

そして主役をハライチ澤部さんが演じたらどうだったのだろう。見た目は近いはずだ。
ドロップ/品川ヒロシ