おそいひと

おそいひと [DVD] (2010/04/02) 住田雅清、とりいまり 他 商品詳細を見る

脳性麻痺の重度障害の主人公。差別なく公平な目で見られたい。

もうここで優しい日本人なら見ようと思うはずだろう。

僕も東中野のポレポレで上映されたときには観たいと思いつつ、

内容が怖そうだしアングラすぎる雰囲気に躊躇してしまったが…。

この作品は絶賛する人と大嫌いな人に真っ二つに分かれる映画だ。

ハンディカメラや謎の音楽。

障害者だって人間なので憎しみや怒りもあるだろう。

いや健常者よりも大きなものがあるだろう。

が、この映画では主人公が自ら取捨した障害者の狂気なので問題はないけれど、

たしかにこんな映画をずばっと撮る映画監督などいまい。

僕は家族に障害者がいるので、ものすごく抑えた怒りを感じるときもあるし、

健常者がいくら同じ人間だ平等だと叫んでもそれは健常者側の主張であって、

障害者側の意見ではない。

ヘルパーの「普通に生まれたかった？」という質問で殺人鬼と化し、

唯一心を許せる健常者まで殺めてしまうという、

ここまでくるともう嫌になってしまった。

でも頭の中ではちょっとした健常者の無礼や非礼に怒り爆発しているのだろうし、

なんだかんだ言ったっておしゃれな映画やドラマに、

脳性麻痺患者や車椅子患者が友達であることも通行人でいることもないわけで、

人間を一律公平に見るのなら省かれた人種ということにはなる。

唯一の理解者をまずいの一番に殺したことが許せないけれど、

まあこういう映画がもっとあってもいいはずだ。

名作と言う方もいるし、ひどい映画という人もいる。

僕は…最初の殺人や主人公の性の部分が生々しすぎなければアリと言えたのに。

タケほどの人なんてなかなかいないぞと。